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[2023広島サミット] 接客・産品販売…準備に力 観光など開催地企業

語学研修や多様な食対応

 来年5月に広島市である先進7カ国首脳会議(G7サミット)に向け、市内の土産物店やホテルが国内外の観光客を迎える準備を加速させている。広島県産品を発信するコーナーを設けたり、従業員向けの語学研修をしたり…。サミット後の観光客増も見据え、もてなしを充実させようとしている。(標葉知美)

 中区の複合ビル、おりづるタワー1階の物産館は7日、地元の定番やスタッフが薦める商品を集めたコーナーを設けた。日本語と英語で「広島サミット」と書いたポップを設置。5月にバイデン米大統領と岸田文雄首相の会食で使われた広島レモンサイダーや、2014年に来日した際にオバマ元米大統領が飲んだ「大吟醸特製ゴールド賀茂鶴」など20点を展示販売する。

 運営する広島マツダ(中区)の大黒淳子おりづるタワーマネージャーは「開催地だと知らない観光客もいる。県産品の魅力を発信し機運を高めたい」と説明。商品は増やしていく。

 リーガロイヤルホテル広島(同)は10月、外国人の社員を講師に週1回の英会話研修を始めた。接客に携わる従業員約120人が対象。座学やワークショップで来年4月まで学ぶ。同ホテルでは不定期で語学研修を開いていたが、新型コロナウイルス禍でインバウンド(訪日外国人客)が減る中、この3年間見合わせていた。

 20年に入社した料飲部の藤井そよかさん(25)は「現場ですぐ使えるフレーズを学べて心強い。定期的にあると学ぶ意識が高まる」と喜ぶ。畳谷恵介副総支配人は「サミット後の訪日客回復も視野に入れて従業員の接客力を強化したい」と狙いを語る。

 サミットには各国の関係者やメディアが集まる。多様な食習慣に応えようと準備する動きもある。広島観光コンベンションビューロー(中区)は16日、市内の飲食店や食品加工業者向けにベジタリアン(菜食主義者)メニューのセミナーを中区で開く。事務局は「海外では食の多様化に対応できる店が一般的。サミットを機に新規客の開拓につなげてほしい」とする。

(2022年11月10日朝刊掲載)

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