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被爆ポンプ 映像化へ 上智大生 広島で取材

 上智大(東京)新聞学科の2年生5人が、JR広島駅南口付近に現存する「被爆ポンプ」を題材にドキュメンタリー映像を制作するため広島市内で取材し、末永い保存を願う市民にカメラを向けた。今月中に十数分の作品にするという。

 ポンプは駅前再開発事業で一部が撤去され、現在計4基が残る。原爆資料館でガイドを務める永原富明さん(75)=呉市=が、道行く人の目に留まるよう「残してください」と書いた札や千羽鶴を掛けている。感銘を受けた市内の中学2年生、児玉美空(みそら)さん(14)=東区=は絵本を自費出版した。

 取材は水島宏明教授のゼミ授業の一環。高橋幸愛(ゆい)さん(20)たちが題材を探す中でポンプのことを知り「被爆直後に人々が水を求めた惨状が自分たちにも想像できる」と思い立った。

 学生たちは永原さんと現地へ足を運び、撮影。児玉さんからも絵本に込めた思いを聞いた。「若者が関心を持ってくれてありがたい」と永原さん。高橋さんは北海道出身で「原爆について知らな過ぎたと痛感した。伝えたい、という永原さんや児玉さんの気持ちを作品で表したい」と話す。

(2022年11月15日朝刊掲載)

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