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日中「難しい時ほど対話」 首相への志持ち続ける 林外相 就任1年インタビュー

 林芳正外相は14日、就任1年を受けて中国新聞のインタビューに答えた。3年ぶりの日中首脳会談が迫ることを念頭に「難しければ難しい時ほど対話をする」と粘り強い外交を説く。来年5月に広島市である先進7カ国首脳会議(G7サミット)で岸田文雄首相を支える姿勢を示し、自らも首相を目指す「志は持ち続けていきたい」と述べた。

 昨年11月10日に就任した。日中関係については「課題や懸案がある中でも対話を欠かさないことが重要だ」と強調。かつて日中友好議員連盟の会長を務めた。「経験を生かせることがあれば、しっかりと仕事をしたい」と意気込む。

 ウクライナに侵攻したロシアは核兵器を脅しに用いる。G7の外相は対ロ制裁などを巡り10回の会談を重ねる中、広島、長崎を最後に77年続く核兵器不使用を「絶対変えてはならないことだと共有した」という。

 被爆地広島ではサミットに先立ち、12月の国際賢人会議でも、岸田首相がライフワークとする「核兵器のない世界」が話し合われる。林氏は粘り強く取り組む決意を示し、核兵器禁止条約については「唯一の戦争被爆国として核保有国を関与させる」と述べた。

 将来の首相候補と目される。「地元の期待を受け、志は持ち続けていきたい」。ナンバー2の座長を務める自民党岸田派では葉梨康弘前法相が失言で更迭され、寺田稔総務相も「政治とカネ」問題で野党の追及を受ける。「首相を支える総裁派閥。身を引き締め、指摘されないようにしたい」と話した。(樋口浩二)

(2022年11月15日朝刊掲載)

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