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広島市中央図書館などの再整備先 現在地が駅前上回る 市民意見 「緑」「平和」など理由

 広島市による市中央図書館やこども図書館の再整備計画で、整備地を現在地の中央公園(中区)とする市民意見が158件寄せられた。JR広島駅前の商業施設エールエールA館(南区)は33件だった。市は結果や市議会への請願を踏まえ、こども図書館を現在地に残す方針に転換した一方、中央図書館はA館への移転方針を維持している。(余村泰樹)

 市は再整備方針の素案に対する市民意見を7月26日~8月25日に募集。338人の自由記述を、再整備場所▽機能やサービス▽その他―に3分類した。

 再整備場所に「現在地・公園内」を挙げた意見には、「緑に囲まれゆったりできる」「原爆・平和を立体的に学べる」などの理由が添えられていた。市生涯学習課によると、特にこども図書館を念頭に「ヒロシマの平和の象徴」「四季を感じ情操教育に良い」などと、現在地に残すよう求める記述が多かったという。

 「A館・広島駅前」は「交通結節点の広島駅に」「食事やショッピングを楽しめて家族で集える」などの評価があった。機能やサービスに関しては、中央図書館は蔵書の充実や開館時間の延長を、こども図書館は読み聞かせの部屋を求める意見が記されていた。

 市はこの結果や市民の請願、署名を考慮し、こども図書館の移転撤回を判断したとしている。今後は今月21日に整備方針案を市議会総務委員会に提示。中央図書館の整備地は現在地、中央公園内、A館を詳しく比較し本年度内に決める。同課は「寄せられた意見を反映し、図書館の機能を充実させたい」としている。

(2022年11月15日朝刊掲載)

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