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米軍機騒音 島根県西部で最多 9月初めに14年の1394回超え 5市町でつくる対策協負担軽減など要求検討

 島根県西部で米軍機によるとみられる騒音が悪化している。今年70デシベル以上を記録した回数は、これまで最多だった2014年1年分(1394回)を9月初めに超えた。浜田市など5市町でつくる対策協議会は生活圏での低空飛行訓練の中止を求めるだけでなく、米軍岩国基地(岩国市)周辺での事例を念頭に、防音工事費の住民負担軽減策を国に求めることを検討している。(黒田健太郎、松島岳人)

 県西部5市町は米軍の訓練空域「エリア567」内にある。対策協では県や市町などの測定器13カ所で13年以降のデータをまとめている。

 18年度に増設した1カ所を除いた12カ所で今年1~8月に「騒がしい街頭」に相当する70デシベル以上を1393回記録。昨年1~8月(754回)の1・8倍に上った。対策協が強く中止を求めている夜間(午後6時~午前7時)も203回。昨年同期(140回)の1・4倍になった。

 地点別では米軍岩国基地から一番近い益田市匹見町が396回で最も多く、これまで最悪だった昨年1年分(350回)を超えた。川本町も123回で同様に最多を更新した。

 今年、14年1年分を上回ったのは9月2日で、70デシベル以上の騒音が益田市で3回発生した。

 市匹見分庁舎地域総務課は「会話が聞こえないほどの90~100デシベルの音が増えている。騒音がひどくなって住民の不安が増している」。川本町総務財政課は「くっきりと機影が見え、ごう音で保育所の園児が泣き出したケースもあった」とする。

 騒音悪化を受けて丸山達也知事と広島県の湯崎英彦知事は今月、防衛省に対策を求める要望書を提出した。

 両知事の動きを受け、対策協事務局の浜田市防災安全課も「中止を求めるだけでなく、防音工事費の補助など住民の負担軽減策を求める方向で話し合っている」としている。

(2022年11月16日朝刊掲載)

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