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懐かしさと活気 50年代えびす講 ちょうちんやぐら・にぎわう商店街… 中区の峯野さん 写真100点保管

戦後復興期の街並み映す

 広島市中心部で18日始まる胡子大祭(えびす講)の1950年代の写真を、中区流川町で電気店を営む峯野博之さん(76)が保管している。先代の社長が撮影した約100点のモノクロ写真。豪華なちょうちんやぐらや商店街のにぎわいを記録した貴重なカットから、戦後の復興期の活気がうかがえる。(向井千夏)

 52~55年に撮影された写真で、胡子神社(中区)近くに設けられた5、6段構えのちょうちんやぐらの写真がメイン。ちょうちん内の明かりの配線を請け負った峯野さんの伯父で先代社長の高義さん(95年に82歳で死去)が愛用のライカで収めた。峯野さんは「工事が済み、無事に点灯したのを喜んで毎年撮ったのではないか」と推測する。

 ちょうちんは協賛する商店が奉納した。市公文書館の渡辺琴代主事は「当時にぎわったミシン店や飲食店などの情報がちょうちんに書かれた店名から読み取れ、興味深い」と話す。

 巨大な「えべっさん」の顔や、大売り出しを意味する「せいもん拂(ばら)い」の告知がアーケードに掲げられた本通り商店街(中区)の写真も目を引く。当時、小学生だった峯野さんは「洋品店や靴店が店頭に商品を並べて大安売りをしていた。押し合いへし合いの大混雑だった」と懐かしむ。

 えびす講は江戸初期に始まり、今年で420回目。新型コロナウイルス禍で2020年、21年は参拝者の人数制限をしたが、今年は3年ぶりに通常開催となる。縁起物の熊手「こまざらえ」も露店で販売される。峯野さんは「コロナ禍で落ち込んだ景気が回復し、街に活気が戻ってほしい」と願う。

(2022年11月17日朝刊掲載)

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