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14年度予算案 医療特別手当227億円 原爆症認定 新基準を適用

 政府の2014年度予算案で、原爆症の認定者に支給される医療特別手当(月額約13万5千円)は、新たな審査基準の適用により13年度当初比10億円増の227億円が計上された。認定者は、例年より約900人多い約4500人増えると想定。被爆者対策費の総額は、被爆者の減少などで同32億円減の1449億円となった。

 新基準による心筋梗塞▽甲状腺機能低下症▽慢性肝炎・肝硬変―などの認定者は、厚生労働省の推計では最大約4千人増える可能性があるが、新基準による申請は徐々に増えると予測。14年度は約2千人増えると見込む。

 一方、認定者は例年約3600人増を見込んでいるが、がんや白血病などによる申請が減少傾向にあるため、全体として、例年に比べた増加人数を約900人にとどめた。

 このほか、原爆症以外の病気になった場合に支給される健康管理手当(月額約3万3千円)が、16億円減の648億円。原爆症認定者については全額を、認定者以外については自己負担分(1~3割)を補う医療費は、27億円減の385億円となった。高齢化に伴う被爆者の減少などが影響した。

 2年目となる黒い雨の相談事業は、1900万円増の6300万円。健康不安などを聞き、必要に応じて医療機関を紹介する保健師たちの人件費が加算された。(藤村潤平)

原爆症認定の新たな審査基準
 心筋梗塞、甲状腺機能低下症、慢性肝炎・肝硬変について、爆心地から約2キロ以内で被爆▽原爆投下から翌日までに約1キロ以内に入市―とする一方、要件から「放射線起因性(原爆放射線と病気との関連性)が認められる」との文言を削除し、積極認定する。放射線白内障は爆心地から約1・5キロ以内で積極認定する。がん、白血病、副甲状腺機能亢進(こうしん)症は、爆心地から約3・5キロ以内などの旧基準を踏襲し、原則認定する。1月以降の審査から適用する。

(2013年12月25日朝刊掲載)

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