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大型旋盤 ミュージアム設置 戦艦大和の主砲を削り出し 専用施設で来春公開 時計店やホテル 商品開発

 戦艦大和の主砲を削り出したとされる大型旋盤が22日、呉市宝町の大和ミュージアム敷地内に設置された。専用の展示施設で来年3月に公開される予定。市内の時計店やホテルが早速、旋盤にちなんだ商品を開発するなど、「大和のふるさと」呉に話題をもたらしている。(仁科裕成)

 旋盤は兵庫県の企業から船で呉港へと運び込まれ、市が寄贈を受けた。この日、起重機船でつり上げ、新たな展示施設の土台に設置。現地にはカメラを手にしたファンらが詰めかけた。戸高一成館長は「ミュージアムのリニューアルに向けた第一歩となる資料。技術力だけでなく、旋盤のたどった運命も伝えたい」と話した。

 輸送設置費のクラウドファンディングに約2億7千万円が寄せられるなど高い関心を呼んでいるだけに、商品開発に生かす動きも。同市中通の梶本時計店は、旋盤の主要部で直径3・2メートルある「面盤」をかたどった文字盤の時計を売り出した。

 呉高専が写真からの3D(立体)化に協力、市内の食品サンプル製造「ハンドワークス レナイン」が塩化ビニールに金属感を出す塗装と傷加工を施し、忠実に再現した。設置に合わせて発売した同店の梶本浩史さん(44)は「マニアックな機械だが全国から問い合わせがあり、注目度の高さを感じる」と話す。

 呉市築地町のクレイトンベイホテルは宿泊プランの料理で、彫刻刀で削った大根製の「面盤」をあなご飯の上にのせて提供している。

(2022年11月24日朝刊掲載)

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