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[2023広島サミット]核禁条約参加発信を 広島市民に求める フィンICAN事務局長

 核兵器廃絶に向けた市民運動をリードしてきた非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN(アイキャン))のベアトリス・フィン事務局長。24日の中国新聞の単独インタビューでは、来年5月に先進7カ国首脳会議(G7サミット)を迎える広島市民へ「各国に核兵器禁止条約への参加や廃絶に取り組んでほしいという広島の思いを届けて」と求めた。

 2018年1月の広島市初訪問を「重要な体験」と語ったフィン氏。平和記念公園(中区)を訪れてICANの川崎哲(あきら)国際運営委員と原爆慰霊碑へ花輪を手向け、原爆資料館を見学した。「碑には水のボトルが置かれ、原爆投下後に多くの被爆者が水を欲しがったことを示していた」と回顧。被爆者との面会や街の復興にも触れ「核兵器がもたらす恐怖と同時に街の再建を目にし、心を動かされ、力強さも感じた」と強調した。

 今月22日に、来年1月末での事務局長退任を発表したばかり。理由やその後の活動については「今は仕事に集中したい」として詳細を語らなかった。ICANなどの発表によると、フィン氏は核兵器禁止条約の履行に向けた活動を続けるという。

 フィン氏はインタビューで、広島再訪に意欲を示した。来年のサミットで核兵器保有国の米英仏を含む各国首脳を受け入れる被爆地の市民へ「核兵器のない世界に向けた努力をリードするように日本政府にも働きかけて」と訴えた。(小林可奈)

(2022年11月25日朝刊掲載)

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