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首相靖国参拝 与野党 賛否が交錯 中国地方 自民も一部に懸念

 安倍晋三首相が靖国神社を参拝した26日、中国地方5県の政党組織の幹部には賛否が交錯した。自民党では「不戦の誓い」を立てたと強調する首相の行動を支持する声が目立つ一方で、中国、韓国の強い反発による外交関係悪化への懸念も出た。野党は民主党や共産党、生活の党、社民党が批判した一方、日本維新の会は理解を示した。

 自民党では、首相のお膝元の山口県連の新谷和彦幹事長が「平和を守るという首相の気持ちを純粋に捉えるべきだ」と強調。広島県連の宇田伸幹事長も「正しいことは正しいという姿勢を貫き、中国、韓国の理解を得る努力を重ねてほしい」と全面的に支持した。

 島根県連の森山健一幹事長は「参拝は日本人として当然だがタイミングが微妙」。同県・竹島をめぐって韓国との関係が冷え込んでおり、「反日感情をあおれば関係はさらに悪化する」と懸念した。

 鳥取県連の山口享会長は「評価する立場にない」とした。公明党山口県本部の先城憲尚幹事長も評価を避け、「外交に影響が出ない努力を」と求めた。

 一方の野党。民主党広島県連の宮原好男幹事長は「日中、日韓関係がデリケートな時期で影響が心配」、山口県連の加藤寿彦代表も「外交がますます厳しくなる」と語り、参拝は見送るべきだったとの認識を示した。岡山県連の高原俊彦幹事長代行は「特定秘密保護法の成立など首相や自民党の強気の姿勢が目立つ。野党が頑張らないと」と述べた。

 社民党広島県連合の金子哲夫代表は「国の責任者が取るべき行動ではない」と非難。共産党島根県委員会の中林隆委員長は憲法改正に向けた動きに触れ「戦争ができる国へとまた一歩踏み込んだ」、生活の党広島県連の佐藤公治代表は「近隣諸国を刺激するのはよくない」とした。

 日本維新の会広島県総支部の瀬木寛親事務局長は「至極当然。現職首相が7年間も参拝しなかったことの方が異常だ」と述べ、他の野党と距離を置いた。

(2013年12月27日朝刊掲載)

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