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米主導の国際秩序 「後退」 ロシアや中国巡り指摘 中・四国アメリカ学会 広島シンポ

 ウクライナ戦争を巡る米国と世界の動きについて考える公開シンポジウムが26日、広島市中区の広島大東千田キャンパスであった。中・四国アメリカ学会の設立50周年記念大会の一環。立教大法学部の佐々木卓也教授(米外交史)たち3人が「変容するアメリカと世界」をテーマに講演し、約40人が聴いた。

 佐々木教授は、19世紀以降の米国の政権の歩みを解説した。法などルールに基づくリベラルな国際秩序が1世紀続いたものの、トランプ政権の誕生で終了したと指摘。中国の勢力拡大やロシアによるウクライナ侵攻などの課題が山積しているとし、「米国主導の国際秩序が後退している」と強調した。

 広島市立大の秦野貴光講師(国際政治学)は、ウクライナ侵攻が「国際秩序を脅かしている」と言及。交渉により早期に停戦すべきだとする声も高まっているとし、「国際社会がバイデン政権のかじ取りに注目している」と述べた。広島大の的場いづみ准教授(米文化)は、ドローンを使った戦争について解説した。

 同学会は1973年に設立。中四国地方を中心として米国の文学や歴史、法律などの研究者で組織されている。(湯浅梨奈)

(2022年11月27日朝刊掲載)

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