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岩国爆音 来月26日2次提訴 地裁岩国

 米軍岩国基地(岩国市)の周辺住民が12月26日、航空機騒音を巡って損害賠償などを国に求める第2次訴訟を山口地裁岩国支部に起こすことが29日、分かった。原告は400人を超える見通し。第1次訴訟の控訴審は、2018年3月に空母艦載機約60機が移ってきた後の騒音測定を待たずに結審したため、所属機が倍増して極東最大級となった基地の影響を初めて問う。

 関係者によると、原告は国の住宅防音工事の助成対象となる「うるささ指数(W値)」が75以上の区域の住民。12月中旬にも原告団を結成し、2次提訴に備えるとみられる。空母艦載機の移転後の騒音被害について賠償を請求する。加えて、10年に滑走路が沖合に1キロ移ったのを理由に第1次訴訟でW値75の一部区域が慰謝料の対象にならなかった措置に見直しを求める。

 艦載機の移転後、基地周辺で70デシベル以上の騒音を測定した回数が増えたのを踏まえ、夜間と早朝の航空機の飛行差し止めも再び求める構えだ。

 岩国市が測定した騒音は21年度に3万回を超え、滑走路を沖合に移設した10年度以降で最多となった。市内の多くの地点で移設前の水準に戻り、基地北側の三笠町では09年の2・75倍に増えた。弁護団は、飛行ルートが変わった影響で被害が少なかった市東部や南部でも測定回数が大幅に増えたと分析している。

 1次訴訟は09年に提訴。最高裁は21年4月に住民側の上告を退け、計7億3540万円を賠償するよう国に命じた二審広島高裁判決が確定した。(有岡英俊)

(2022年11月30日朝刊掲載)

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