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被服支廠題材に紙芝居 広島市立大生グループ、生演奏付きで4日披露 小学生の絵アレンジ 幼児から社会人まで共演

 広島市内最大級の被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」(南区)が題材の紙芝居を広島市立大の学生グループ「ヒロシマ・ヤング・ピース・ビルダーズ」が完成させた。小学生に描いてもらった絵をアレンジして制作。スクリーンに絵を映し、電子オルガンなどの生演奏も加えた「絵おと芝居」として12月4日に佐伯区民文化センターで披露する。(湯浅梨奈)

 「見て。広島が大変なことになっている。町が燃えている」。11月中旬、藤の木公民館(佐伯区)に集まったメンバーたちが、映像に合わせてせりふを練習した。三和中1年、小田華澄さん(13)は「原爆を体験した人の気持ちを想像して演じる」と意気込んだ。

 廠内で作る軍服の毛皮用に飼育されていたウサギが原爆に遭う物語。グループ代表の国際学部3年、佐藤優さん(21)が被服支廠の近くで育った被爆者の切明千枝子さん(93)=安佐南区=から証言を聞き取り台本を書いた。「多様なエピソードから歴史を学んでほしい」。軍都広島の歴史も伝える。

 挿絵は、県内の小学生たちの作品を基に構成する。今年夏にこの物語の朗読会を開催した際、印象に残った場面を児童に描いてもらうと71枚が集まった。11枚を採用し、紙芝居作家のいくまさ鉄平さんに手を加えてもらった。

 「劇団テアトル広島」の森井順さん(67)の助言を受けて発声を練習。当日は森音楽教室(佐伯区)の協力を得て、演奏発表会に続き上演する。幼児から社会人までの生徒12人が共演する。佐藤さんは「幅広い世代と被爆者による作品です」と話す。4日正午、佐伯区民文化センター1階スタジオ。無料。問い合わせはhiroshimaypb@gmail.com

(2022年11月30日朝刊掲載)

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