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[2023広島サミット] 原爆被害解説書 首脳に 鎌田・広島大名誉教授 県に寄贈

 広島大の鎌田七男名誉教授(85)=広島市西区=が29日、原爆被害を解説した自著「広島のおばあちゃん」の5カ国版計400冊を官民組織の広島サミット県民会議(中区)に寄贈した。県民会議は来年5月に広島市である先進7カ国首脳会議(G7サミット)で参加各国の関係者に配る予定。

 本は「放射能とは何か」「ケロイドとは何か」などの45の問いに被爆者の女性がやさしく答える内容で、原爆の被害や放射線の人体への影響を分かりやすく解説している。日本語版を出版した2005年以降、英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語版も刊行している。

 鎌田名誉教授は広島県庁で県民会議会長の湯崎英彦知事に目録を手渡し、「核兵器が一度使用されたら人類の未来は壊されると各国の人に分かってほしい」と訴えた。湯崎知事は「サミットを機に広島に来る多くの人に見てもらいたい」と応えた。県民会議は配布対象や方法を関係機関と調整する。(久保友美恵)

(2022年11月30日朝刊掲載)

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