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[2023広島サミット]国際賢人会議で被爆者と面会へ 米・中・露の委員ら

 政府が各国の政治指導者や有識者を被爆地広島に招いて10、11日に初会合を開く「国際賢人会議」に合わせ、会議の委員が被爆者と面会する場を設けることが1日、分かった。ロシアによる核使用が現実味を帯びる中、広島、長崎の惨禍に触れてもらい、「核兵器のない世界」への議論につなげる。

 複数の関係者によると、オンラインも含めて会議に出席する米国、中国、ロシアや日本の委員10人以上が10日夕、日本被団協の箕牧(みまき)智之代表委員(80)や木戸季市事務局長(82)の体験を聞き、意見を交わす。核兵器廃絶に向けた活動に取り組む若者たち非政府組織(NGO)関係者も含め、市民側の参加者は約20人に上る。

 委員は座長の白石隆・熊本県立大理事長(国際政治)のほか、海外の政治リーダーや今夏の核拡散防止条約(NPT)再検討会議で議長を務めたアルゼンチンのスラウビネン大使らを見込んでいる。

 会議は岸田文雄首相が提唱。来年5月に広島市である先進7カ国首脳会議(G7サミット)を見据え、核軍縮の具体的な道筋を探る。10日の開会セッションで首相自らが「核なき世界」への決意を訴える。(樋口浩二、小林可奈)

(2022年12月2日朝刊掲載)

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