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島根原発避難に備え1ヵ月分の献立 奥出雲町が準備 食料調達スムーズ

 中国電力島根原子力発電所の事故の際に、松江市民の避難場所に指定されている島根県奥出雲町は、避難所の1カ月分の献立をあらかじめ考案する作業を始めた。避難の長期化を見越し、町内での食料調達や食事提供をスムーズにするのが狙い。町の栄養士を中心に検討を進め、アレルギー対応の献立も含めて来年7月をめどにまとめる。

 献立は一般用と高齢者用、幼児用、アレルギー体質の子ども用の計4種類。町内での野菜などの調達を考慮し、それぞれ「冬~春」「夏~秋」の2種類をつくる。献立を避難所となる町内の小中高校、コミュニティーセンターなど約20カ所に常備。調理法も併せて記載し、調理を手伝う避難所スタッフの負担軽減も図る。

 献立をあらかじめ決めることで、避難所ごとの想定受け入れ人数に応じた食材の必要量も試算できる。国の支援物資が届く前の初期段階でも、町内の農家による提供など、町独自の食料調達の円滑化にもつなげる狙い。

 島根原発の事故に備えた県の広域避難計画では、人口約1万4千人の同町が、約40キロ北に位置する松江市島根町の住民約3800人を受け入れる。島根町は原発がある鹿島町に隣接し、避難の長期化も見込まれる。

 奥出雲町の吉山満危機管理監は「食は避難生活の基本で、事前に考えておかないと対応できなくなる。長期化に備え、支援する町側の省力化を図ることも大事」としている。(明知隼二)

(2013年12月28日朝刊掲載)

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