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広島県被団協が初サイト 被爆証言を受け付け

 広島県被団協(箕牧(みまき)智之理事長)が初の公式サイトを開設した。被爆証言と、平和記念公園(広島市中区)の碑巡りガイドの申し込みをオンラインで受け付けている。歴代理事長の訴えも紹介。「核兵器のない世界」の実現に向け、被爆者の願いを伝える機会を増やす。

 サイト名は「被爆を語り継ぐ」。被爆証言と碑巡りガイドは、費用などの概要と応募フォームを掲載。団体・個人名や参加者数、電話番号、希望日時を入力すれば申し込める。いずれも、これまではファクスのみの受け付けだった。

 歴代理事長の紹介コーナーでは、被爆者運動をリードした初代の森滝市郎氏(1994年に92歳で死去)の「核と人類は共存できない」、4代目の坪井直氏(2021年に96歳で死去)の「ネバーギブアップ!」などの言葉を引用。各理事長の被爆の経緯と活動の功績を記している。

 県被団協事務局によると、被爆証言の件数は、オバマ米大統領が広島を訪れた16年度に368件だったが、新型コロナウイルス禍の21年度は86件まで激減した。オンラインでの受け付けや情報発信で、てこ入れを図る。

 前田耕一郎事務局長は「被爆者が直接話せるうちに、できるだけ証言の機会を提供したい」と話している。サイトのアドレスはhttps://hiroshima‐hidankyo.org/(宮野史康)

(2022年12月3日朝刊掲載)

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