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[2023広島サミット] 被爆地開催「平和へ決意を」 広島でG7考えるフォーラム 池上彰さんが講演

 来年5月に広島市である先進7カ国首脳会議(G7サミット)について学ぶフォーラムが6日、広島市中区の広島国際会議場であった。広島県内の官民でつくる広島サミット県民会議と中国新聞社が共催し、約1300人が来場。ジャーナリストの池上彰さんの講演やパネル討議を通し、初の被爆地開催の意義や地元への効果を考えた。

 池上さんは「広島サミットの役割と意義」と題して講演し、各国首脳の横顔やサミットの歴史を軽妙な語り口で紹介。広島開催の背景に、ウクライナに侵攻したロシアが核兵器使用を示唆する現状があるとし、「世界の首脳が広島に集まり、平和への決意を固めるのが大事だ」と述べた。

 また、「原爆投下時、広島に何が起きたかを見せる絶好のチャンスだ」と強調。核保有を支持する世論が強い国もあり、平和記念公園(中区)訪問が実現するかどうかは「シェルパ」と呼ばれる外務省幹部の交渉にかかっているとの見方を示した。

 パネル討議では池上さんを含む4人で、受け入れの課題などを話し合った。2016年の伊勢志摩サミット(三重県)を経験した志摩市観光協会の西尾新会長は、観光客が増え、市民の郷土愛が高まったと説明。福山青年会議所の宇田貴美直前理事長は各市町へ主体的な関わりを、戦争の記憶を研究する広島大平和センターのファン・デル・ドゥース瑠璃准教授は、市民へ被爆の実態と広島の豊かさの発信を呼びかけた。(田中美千子)

(2022年12月7日朝刊掲載)

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