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広島市の中央図書館再整備 市民協議会設置 考える会が要望

 広島市中央公園(中区)にある市中央図書館の再整備計画を巡り、市民団体「ひろしまのシビックプライドを考える会」が、専門家や市民による検討協議会を設置するよう市へ要望した。JR広島駅前の商業施設エールエールA館(南区)への移転方針を掲げる市の検討過程の透明性を疑問視。公園内での建て替えも主張している。

 会はNPO法人代表やジャーナリスト、作家たち7人で構成。5日付の要望書で、市議会決議で市民たちに丁寧に説明して整備地を決めるよう求められたのに、資料開示や説明が不十分と指摘。図書館や建築の専門家、公募市民たちによる協議会を設け、整備地や機能を議論するよう提案した。平和発信の面から原爆資料館に近い公園内での建て替えも推している。

 会は7日、協議会設置を求める署名活動を開始。市役所で記者会見した平尾順平共同代表(46)は、市が計画への意見を聞く審議会委員を務めているが「既存の組織には図書館整備の十分な専門性がない。開かれた議論の上で決めるべきだ」と訴えた。一方、市生涯学習課は「専門的な意見は審議会で聞いており、新たに検討協議会を立ち上げる考えはない」としている。

 市は昨年11月に市中央図書館と映像文化ライブラリー、こども図書館のA館への移転方針を表明。こども図書館は現在地に残す方向に転じたが、中央図書館はA館への移転方針を維持している。(余村泰樹)

(2022年12月8日朝刊掲載)

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