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お好み焼きで被災者笑顔 広島の高校生ボランティア派遣隊 南相馬で120食分振る舞う

 広島県内の中高生と教員でつくる「高校生災害復興支援ボランティア派遣隊」(広島市安佐南区)のメンバーが30日、福島県南相馬市の仮設住宅を訪れた。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の被災者にお好み焼きを振る舞い、年末の大掃除を手伝った。

 高校生3人と教諭1人、団体職員1人の計5人が、同市小高区出身の174世帯360人が暮らす仮設住宅を訪れた。高校生は広島から持参した鉄板を集会所に据え、お好み焼き約120食分を焼き上げた。

 被災者は、メンバーのへらさばきを楽しみ、焼きたてを味わっていた。星喜美子さん(56)は「祭りの屋台のような気分になった。震災の記憶が風化する中、遠くから来てくれて、心まで温まった」と笑顔を浮かべた。

 メンバーは独居の高齢者宅で、窓拭きや換気扇の掃除も手伝った。市立広島工業高2年国近瑞樹君(16)は「簡単な仕事でも喜んでもらえた。来たかいがある。次に来る時は、子どもと工作をしたい」と話していた。

 派遣隊はことし3月に10人で発足し、現在は30人が活動する。青少年の奉仕活動をたたえるボランティア・スピリット賞(プルデンシャル生命など主催)の奨励賞を今月23日に受賞した。

 被災地への訪問は今回が5回目。27日夜に出発。福島県内の南相馬市やいわき市を巡り、31日に広島市に帰る。来年3月にも同県への訪問を計画している。(馬場洋太)

(2013年12月31日朝刊掲載)

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