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オバマ大統領訪問に期待感 岸田外相インタビュー NPDIで被爆地から発信

 第2次安倍内閣で外相を務める岸田文雄氏(広島1区)が新年に当たって、外務省で中国新聞社のインタビューに応じた。2015年の被爆70年の節目を前に、オバマ米大統領の被爆地広島の訪問について、岸田氏はケネディ駐日米大使と「意思疎通を図り、話してみたい」との思いを明らかにした。岡谷義則社長が聞いた。

 岸田氏は、「核兵器のない世界」を掲げるオバマ大統領が広島を訪れ、被爆の実態に直接触れることは「大変意義がある」と強調した。

 その上で、広島への強い思いを持つケネディ大使が就任したこの時期に「(訪問を)考えてもらう可能性はあるのではないか」と期待感を表明した。

 広島市を地盤とする外相として核軍縮に取り組む岸田氏。4月に広島市で開かれる「軍縮・不拡散イニシアチブ」(NPDI)外相会合で、各国外相が被爆体験を聞き、原爆資料館(中区)を見学した上で議論することが重要とした。その上で「広島からしっかりとしたメッセージを発信し、核兵器のない世界へと前進させたい」などと抱負を述べた。

 歴史認識や領土をめぐり緊張が続く日中、日韓関係は「トップ同士の対話が大切」との認識を示し、さらに「国際社会に対し、日本の考えを説明することも大事」と訴えた。

 先の臨時国会で成立した特定秘密保護法の国民の理解に向け、「政府は引き続き説明に努力する必要がある」と語った。安倍政権が本格化させる構えの集団的自衛権の行使容認に向けた議論についても「丁寧に進めることが大切」と強調した。(守田靖)

(2014年1月1日朝刊掲載)

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