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被爆2世 国賠請求棄却 「不安や苦悩 伝わらず」 広島地裁訴訟の原告ら

 原爆被爆者を親に持つ「被爆2世」は、放射線の遺伝的影響による健康被害が否定できないのに、国が援護を怠ってきたのは憲法違反として、長崎県などの2世と遺族の計28人が国に損害賠償を求めた訴訟の判決で、長崎地裁は12日、「違憲とは認められない」として請求を棄却した。同種訴訟は広島地裁でも起こされ、初判断となった。

 広島地裁の同種訴訟の原告たちに落胆が広がった。広島地裁判決は2023年2月7日に言い渡される。

 「放射線被害の遺伝的影響の可能性を認めたのは前進だが、援護の必要性に踏み込んでいない」。広島訴訟の原告の一人で「全国被爆二世団体連絡協議会」事務局長の平野克博さん(64)=廿日市市=は不満を口にし、「多くの2世が不安や苦悩を訴えたのに伝わらなかった」と肩を落とした。

 広島の原告や支援者たち約20人は判決後、広島市西区で集会を開催。長崎とオンラインで結び、2世の援護につながるよう引き続き連帯して取り組むことを確認した。

 広島訴訟は今年7月に結審した。広島、山口県などの28人が国に損害賠償を求めている。 (堅次亮平)

(2022年12月13日朝刊掲載)

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