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「黒い雨」 在外者に手帳 広島市交付 新基準で初 米の80代

 広島原爆の投下後に降った放射性物質を含む「黒い雨」の被害者救済で、広島市が米国在住の80代の女性1人に被爆者健康手帳を交付していたことが15日、市への取材で分かった。国が4月に導入した新基準に基づく在外被爆者の認定は広島県内で初めて。

 市によると、昨年12月に在ロサンゼルス日本総領事館を経由して女性から申請があり、新基準で審査。今年10月に被爆者健康手帳の交付を認めた。女性は従来の援護対象区域(大雨地域)の外側で黒い雨に遭ったという。

 市はほかにも米国2件、韓国1件の申請を審査中。一方、広島県へは、これまで海外からの申請はないという。

 新基準では、本人の証言や当時の居住地などから黒い雨に遭った可能性を否定できず、がんなど11疾病にかかっている場合、被爆者健康手帳を交付する。白内障は手術歴も含む。海外在住者は被害場所に応じて、広島市か広島県へ申請する。一時帰国者は他の都道府県にも出せる。(小林可奈)

(2022年12月16日朝刊掲載)

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