×

ニュース

シュモー氏作成 Xマスカード 中区の「ハウス」で初公開 70年前 端材添え支援者へ

 米国人平和活動家の故フロイド・シュモー氏が70年前に作ったクリスマスカードが17日、広島市中区江波二本松の展示施設「シュモーハウス」で初めて公開された。シュモー氏が原爆で家を失った人のために建てた「広島の家」の木材の端材が添えられている。クリスマスを前に、その功績を知ってもらおうと原爆資料館(中区)が企画した。(石井雄一)

 カードは1952年、住宅を建てるために寄付をした支援者たちに送られたとされる。薄い木片(縦4・8センチ、横10センチ)が二つ折りのカードに添えられ、カードには「この夏に建てられた広島の家の一部です。江波の子どもたちが削りくずから作りました」などのメッセージが英語で書かれている。

 シュモー氏は49年、仲間と広島入り。53年までに15棟21戸を建てた。カードは、長崎で同じく住宅建設に携わった米国人の遺族の自宅で昨年見つかり、広島市へ寄贈された。

 観光で立ち寄った大阪府池田市の医療事務寺谷利左(りさ)さん(55)は「原爆からの復興に使われた木から作られたと思うと感慨深い。シュモーさんのアイデアがすばらしい」と見入っていた。

 カードの展示は25日まで。開館時間は午前9時~午後5時、入場無料。シュモー氏が使った道具や写真などの常設展示もある。24日午前10時~午後3時は、市民団体「シュモーに学ぶ会」の西村宏子代表(65)が同施設で解説する。

(2022年12月18日朝刊掲載)

年別アーカイブ