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原爆資料館 入館者3倍 4~11月前年比 修学旅行回復 コロナ禍前の半数

 新型コロナウイルスの影響で激減していた原爆資料館(広島市中区)の入館者が戻りつつある。4~11月は75万5858人で、2021年同期の3倍。感染拡大に伴う移動制限や臨時休館がなかったのが要因とみられる。ただ、コロナ禍前の19年に比べるとまだ半数。今後、外国人観光客がどこまで回復するかがポイントになる。(宮野史康)

 資料館によると、22年4~11月の入館者は21年同期より48万9560人増えた。151万7102人だった19年同期比は49・8%。月別でみると、22年で最も多い11月は14万8349人で、19年同月比74・9%となる。

 さらに22年4~11月に修学旅行など団体で訪れた小中高生の入館者は28万3132人で、19年同期比の94・9%まで戻った。11月は19年同月比129・9%で、資料館南側に約50台ある駐車スペースに大型バスがひしめいた。市観光プロモーション担当は「海外などから行き先を広島に切り替える学校も多い。万が一、コロナに感染しても地元に陸路で帰れるからだろう」と分析する。

 一方、外国人の入館者は4万7968人で21年同期の5倍ながら、19年比では10・6%に低迷した。政府が10月11日に訪日観光客の個人旅行を解禁し増加の兆しはあるという。資料館啓発課は「ウェブサイトの多言語化や被爆証言の回数を増やし、できる限り多くの人に被爆の実態を知る機会を提供したい」としている。

(2022年12月22日朝刊掲載)

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