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中国の若者と平和交流 被爆者ら5人 松井市長に帰国報告

 広島平和文化センターの派遣で中国を訪れた被爆者たち5人の「広島市民平和友好訪中団」が8日、市役所に松井一実市長を訪ね、帰国報告をした。日中関係が冷え込む中、現地の若者と交流し、「相互理解が深まった」と強調した。

 訪中団は2013年11月28日~12月4日、上海、南京、北京の3都市を巡った。各地の大学生に体験を語った東区の森田節子さん(81)たち被爆者2人は「熱心に聞いてくれた」と語った。団長を務めた広島市立大広島平和研究所の吉川元所長も「歴史的背景から最初こそ議論が硬かったが、徐々に打ち解けた。平和構築は若者の力が大事だ」と語った。

 松井市長は「政治的な枠組みを超え、個人が本音で話せる状況をつくるのが重要。市民レベルの交流を続けてほしい」と期待した。

 広島平和文化センターと、中国の非政府組織(NGO)中国人民平和軍縮協会は1988年から相互に訪問団を派遣。広島からは12年に訪中予定だったが、両国間の関係悪化で延期されていた。(田中美千子)

(2014年1月9日朝刊掲載)

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