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「ゲン」 学校から撤去か閲覧維持か 都教委 両請願を不採択

 東京都教委は9日の定例会で、漫画「はだしのゲン」を教育現場から撤去するよう求める請願と、自由閲覧の維持を求める請願を、いずれも不採択とした。ただ、作品には「一部に教育上の配慮が必要な表現がある」と指摘した。

 不採択の理由について、都教委は「学校図書館には児童・生徒に幅広い知識と教養を身に付けさせるため、さまざまな本を置くことが必要」と強調。さらに「校長による図書選定事務が適切に行われるよう取り組む」とし、双方の請願に「応じられない」とした。

 はだしのゲンに関しては「作者個人の体験や私的な見解を独自の表現で漫画にしたもので、教科用図書とは異なる」と指摘。一方で「暴力的な表現などがある」とし、子どもの発達段階に応じた適切な読書指導が必要との認識を示した。

 会合で竹花豊委員は「法令などを逸脱していない限り、個別の本の選定は教育委員会が指示する問題ではない」と述べた。撤去を求める請願書は昨年9~11月、3団体がそれぞれ提出。自由閲覧の維持を求める請願書は同11~12月に2団体・7個人が出していた。(城戸収)

(2014年1月10日朝刊掲載)

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