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ウクライナ避難民 高齢者施設に就労 ドネツク州出身 ゴイディシュさん 福山で初 入所者や職員から信頼

 ロシアによるウクライナ侵攻を受け福山市内に避難したアンデリー・ゴイディシュさん(38)が市内の高齢者福祉施設で働いている。笑顔を絶やさず勉強熱心で入所者や職員の人気者という。避難生活が長期化し、自立への支援が課題となる中、避難者の就労につながったのは市内で初めて。

 ゴイディシュさんが勤務しているのは、サービス付き高齢者住宅「すまいる仁伍(にご)」(同市木之庄町)。利用者の食事の配膳や後片付け、施設の清掃をこなす。餅つきなどの催しにも参加し、入所者と交流を深めている。

 そばの障害者福祉施設を含め週5日の勤務を始めて3カ月余り。ゴイディシュさんは「みんな優しいし、仕事も楽しい」と笑顔で話す。施設長の高尾奈美さん(48)は「まだ言葉は通じないが、すごく勉強熱心。入所者だけでなく、職員にもファンが多い」と信頼を寄せる。

 ゴイディシュさんはウクライナ東部ドネツク州出身。父、兄と3人で暮らしていた。尾道市内で暮らす姉が避難を呼びかけたのをきっかけに7月、単身で来日した。一時は福山市内にある姉の会社の同僚宅に身を寄せ、9月、同施設を運営する法人の寮に移り勤務を始めた。

 同法人を含め、ウクライナからの避難者向けに雇用の場の提供の申し出が市にあったのが奏功した。ゴイディシュさんは、市職労のサッカーチームの練習に参加するのも楽しみの一つ。当面は日本で暮らすつもりだ。(門戸隆彦)

(2022年12月23日朝刊掲載)

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