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戦艦伊勢 乗組員安らかに 呉沖で慰霊式

 69年前に米軍機の攻撃を受け、呉市音戸町沖で大破した旧海軍の戦艦伊勢の洋上慰霊式が10日あった。海上自衛隊の主催。艦名を継ぐ呉基地所属の大型護衛艦いせ(1万3950トン)に乗った約250人が、当時の現場近くの海上で乗組員の冥福を祈った。

 海自隊の元隊員や海自隊の支援団体、地元の宮原中1年生たちが乗ったいせは、呉基地を出港。約30分後、三ツ子島沖に着いた。現役隊員も加わり、ラッパ演奏や空砲に続き全員で黙とうした。

 代表で海に花を手向けた伊勢の元乗組員田部清人さん(90)=呉市=は「この歳まで健康でいられたと戦友に知らせたかった」としんみりと話した。宮原中1年久保希良梨(きらり)さん(13)は「戦争で亡くなった人のおかげで私たちがいる」と感謝していた。

 伊勢は終戦直前の1945年7月、停泊中に攻撃に遭い、190人が亡くなった。いせが定期修理で造船所に入るのに合わせ、慰霊式を営んだ。(小島正和)

(2014年1月11日朝刊掲載)

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