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「黒い雨」巡回相談 「誠実な対応を」 広島県連絡協 県・市に申し入れ

 広島県「黒い雨」原爆被害者の会連絡協議会は14日、国の援護対象区域外で黒い雨を浴びた人を対象に昨年10月始まった無料の巡回健康相談で「相談員が放射線の存在や被害を否定する発言をした」として、相談会を開く県と広島市に改善を申し入れた。

 高野正明会長たち協議会の11人が、中区で国から相談事業の委託を受けている県と市の担当者に面会し、文書で申し入れた。高野会長によると、相談者が「放射能汚染が疑われる川の水を生活用水で使ったが大丈夫か」と尋ねたのに対し、相談員は詳しい説明をせず「内部被曝(ひばく)は問題ない」と答えたという。

 「不用意な発言をせず、被災体験や健康状態に耳を傾け、記録してほしい」と求める高野会長に、市原爆被害対策部の杉浦信人調査課長は「相談員の保健師や医師が放射線の知識を深めるよう徹底する」と述べた。

 協議会は広島市と周辺2市5町に現在住んでいる人に対象が限られることも問題視。「県内さらには全国の黒い雨体験者の相談に応じる制度に改善を」と求めた。県の出原寿之被爆者支援課長は「利用者は想定より少ない。まずは現地域の利用を促す」とした。(新山京子)

(2014年1月15日朝刊掲載)

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