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地位協定 改定求める 岩国市 日米両政府へ独自に

 米軍岩国基地(岩国市)の海兵隊員の男が12月上旬、岩国市内で車を盗み事故を起こしたとされる事件を巡り、岩国市の福田良彦市長は27日の記者会見で、捜査や補償の壁になっていると指摘される日米地位協定の改定を市独自で求めていく意向を明らかにした。

 福田市長は事件について「住民に大きな不安を与え極めて遺憾」と述べた。地位協定が米兵の犯罪は身柄が基地内にある場合、米側が拘束すると定める点を踏まえ「被害者への損害賠償の方法なども米側に裁量が委ねられているのが課題」との認識を示した。さらに「基地に関連する事件事故で被害者の権利が抜本的に回復できるための改定が必要」として、日米両政府に独自に働きかけていくとした。

 市はこれまで、被害者への適切な補償などの要望を、在日米軍施設がある15の都道府県でつくる渉外知事会を通じ行ってきた。

 海兵隊員の男は3日朝、盗んだ車で事故を起こして乗り捨て、そのまま基地内に入った。岩国署が任意で事情を聴いている。車を盗まれた男性(37)によると、基地側からは明確な弁済の説明はないままという。(有岡英俊)

(2022年12月28日朝刊掲載)

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