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ウクライナ避難 感謝の舞 東広島でアリーナさん

 ロシアによる侵攻を受けてウクライナから東広島市に避難しているレペシュコ・アリーナさん(32)が26日、通っているバレエ教室のイベントに出演した。受け入れに関わった市職員やボランティアを招き、踊りを通して感謝を伝えた。

 幼い頃からバレエを学び、2020年まで中国や韓国のテーマパークでダンサーとして活躍。侵攻を受け、今年4月にポーランドを経由して来日した。5月、支援者を頼って東広島市にやってきた。

 「バレエは人生」と語るアリーナさん。踊る機会がなく悩んでいた今夏、市内で偶然看板を見かけた森川里美バレエアカデミー(西条中央)の門をたたいた。以後、連日レッスンに通う。無料で指導する主宰の森川里美さん(65)は「悲しみを表に出さず、毎日熱心に踊っている。ここでの学びが彼女の助けになればうれしい」と話す。

 芸術文化ホールくらら(西条栄町)のステージで、アリーナさんは「涙の河(かわ)を越えて」と題した踊りを披露した。祖国に残る家族に会いたくても会えない苦しみや平和への祈りを表現。「見知らぬ土地で支えてくれた皆さんに感謝したい」と日本語でスピーチした。

 広島大の外国人研究生として学ぶことも目指し、1月に受験を予定する。「バレエや学問など日本で多くのことを学び、ウクライナ再建の力になりたい」と意気込んでいる。(高橋寧々)

(2022年12月28日朝刊掲載)

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