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「厳格に」「丁寧な説明を」 地元、要望相次ぐ 島根2号機 安全審査を開始

 原子力規制委員会が島根原発2号機の安全性を調べる初の審査会合を開いた16日、島根、鳥取県は担当者を現地で傍聴させるなど審査の行方に大きな関心を寄せた。住民も含め、地元からは厳格な審査と審査内容の丁寧な説明を求める声が相次いだ。

 島根県は、都内での会合に防災部の細田晃次長たち2人を派遣。県庁ではインターネットで公開される同時中継を大国羊一部長たち5人がチェックした。  昨年12月、県が厳密な審査を規制委に要請したフィルター付きベント設備に質問が集中したことに、大国部長は「県の問題意識とほぼ同じ」。「住民の不安が高いだけに、特に詳しく審査し丁寧に説明してほしい」と求めた。今後も会合には担当者を派遣し、原発30キロ圏の出雲、雲南、安来市に情報提供するという。

 鳥取県も2人が現地で傍聴した。平井伸治知事は県庁で「住民の安全が第一。審査には時間を惜しまぬよう原子力規制庁に伝えている」と慎重な審査を要望。「夏の(電力)需要に間に合わせるよう審査するのは本末転倒」とくぎを刺した。

 一方、島根原発増設反対運動代表の芦原康江松江市議(61)は「福島第1原発事故の原因が特定できない以上、審査自体の信ぴょう性も低い」と指摘。「安全審査とは別に、国は原発稼働の是非を全国民に問う必要がある」と訴えた。

 2号機の再稼働を支持する古浦自治会(松江市鹿島町)の亀城幸平会長(63)は「早期稼働が望ましいが、厳しい審査が前提。審査は専門的で分かりにくいので、規制委だけでなく中電も地元に説明してほしい」と注文した。(樋口浩二、川崎崇史)

(2014年1月17日朝刊掲載)

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