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ウクライナへ車いす 神辺のNPO 第1便は150台 継続へ輸送費支援募る

 ロシアによる侵攻で戦禍が続くウクライナに向けて、福山市神辺町のNPO法人「さくら・車いすプロジェクト広島支所」が車いすを寄付する活動を進めている。第1便を来年2月中旬までにウクライナに届ける予定で同法人は輸送費に当てる寄付金を募っている。

 12月下旬、同町の駐車場に神戸港からコンテナを積んだトレーラーが到着した。同法人が県内から集めた車いす約150台を次々に積み込んだ。コンテナは再び神戸港に向かい、ポーランド経由でウクライナの病院に届く。同法人の桂達也・広島支所長(62)は「送るだけでなく現地で部品整備ができれば良いのだが。まず一定の台数を届け長期的活動にしたい」と話す。

 きっかけは1本の電話。「ウクライナのために車いすを提供してほしい」。ロンドン在住のフリージャーナリスト木村正人さん(61)からだった。

 木村さんはロシアによる侵攻後、物資支援などに携わるウクライナのNPO法人「ウクライナの未来」に同行。同国西部に避難民が集中し、高齢者や足が不自由な人たちの車いすが不足し、ベッドで寝たきりになる人もいた。木村さんは車いすを扱う日本の団体に片っ端から連絡を取った。ネパールやタイ、モンゴルなどアジア諸国へ毎年約300台の車いすを寄付し続け、ノウハウと在庫があった桂支所長につながった。

 目標は500台。輸送会社の好意で最初のコンテナ輸送費は無償になったが、今後は約200万円の負担が予想される。桂支所長は「持続可能な車いす発送のため、多くの方の力をいただきたい」と呼びかける。さくら・車いすプロジェクト広島支所☎080(6303)1582。(猪股修平)

(2022年12月30日朝刊掲載)

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