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岩国基地の米軍人 車盗み事故 被害者補償 国に支援訴え 市民団体 署名集め開始

 米軍岩国基地(岩国市)の海兵隊員の男が昨年12月上旬、岩国市内で乗用車を盗み事故を起こしたとされる事件を巡り、市内の二つの市民団体が11日、被害者への補償の支援などを国に求める署名を集め始めた。同日、車を盗まれた自動車販売店の経営者の男性(65)が、市民団体の集いで、事件の状況や憤りを語り「助けてほしい」と訴えた。

 市民団体は「市民連合@(あっと)いわくに」と「住民投票を力にする会」。男性に基地側から明確な説明がないことを踏まえ、損害賠償の請求の交渉が実現するよう働きかける。さらに海兵隊員が事故直後、基地内に逃げ込み、日米地位協定によって警察の捜査や逮捕が困難になっているとして、協定の改定を求める。

 この日、2団体のメンバーたち約30人が、同市牛野谷町の愛宕神社そばの広場に集まった。男性は「とにかく助けてください。今も車は壊れたまま保管している。何もできない歯がゆさがある。岩国に住む人が今後同じような思いをしてほしくない」と語った。

 メンバーからは「事件を忘れてはいけない」「地位協定を広く考える機会に」などの声が上がった。

 署名は当面1月末まで集める。市民連合の岡村寛共同代表(79)は「泣き寝入りすることはできない。しっかり応援したい」と話した。(有岡英俊)

(2023年1月12日朝刊掲載)

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