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控訴取り下げ要請 在ブラジル被爆者訴訟 広島県に支援者ら

■記者 高橋清子

 「在ブラジル・在アメリカ被爆者裁判を支援する会」は2日、広島高裁で係争中の在ブラジル被爆者手帳訴訟で広島県に控訴を取り下げるよう要請した。

 代表世話人の田村和之龍谷大法科大学院教授たち3人が広島県庁を訪れ、「厚生労働省の指示もあろうが、県が独自に判断して決着を」と強調した。藤田雄山知事あての要請書を受け取った被爆者対策課の豊後晴一課長は「さまざまな角度から情報収集をして検討する」と述べ、明確な方針は示さなかった。

 田村教授たちは、被爆者援護法の改正で既に海外から被爆者健康手帳の交付申請が可能になっている現状や、同様の訴訟で敗訴した大阪府が控訴せず、長崎県は控訴取り下げの方針を表明した点を踏まえるよう訴えた。

 昨年7月の広島地裁判決は、来日しないことを理由に交付申請を却下した県の処分を違法と判断。県は、国の意向を重視して控訴していた。

(2009年7月3日朝刊掲載)

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