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中央図書館再整備 A館へ移転 22年度内着手 広島市長「理解得た」

 広島市中央公園(中区)にある市立中央図書館の再整備計画で、市は12日、JR広島駅前の商業施設エールエールA館(南区)への移転に着手することを明らかにした。2022年3月の市議会決議で求められていた、市民への説明や理解を得る手続きを終えたと判断。22年度内に設計に取りかかる。開館は26年度になる見通しだ。(余村泰樹)

 松井一実市長がこの日の記者会見で、決議に関し「関係者に丁寧に説明し、理解してもらう対応ができた」との認識を表明。今月20日にある市議会総務委員会で移転について説明した上で、設計へ「年度内に速やかに着手する」と述べた。

 市議会が22年3月に可決した22年度当初予算で、市は基本・実施設計費など1億7700万円を計上している。これを基に設計事務に着手するが、決議への対応で時期が遅れたため、23年度に予算を繰り越す見通し。23年度分の設計費4190万円は、将来の支出を約束する「債務負担行為」で確保しており、23年度当初予算案に計上するとみられる。

 また複数の関係者によると、市は20日の市議会総務委へ、22年2月に示していた基本計画案を一部修正して提示する。A館の8~10階を中心に中央図書館と映像文化ライブラリーを集約するなどの大筋は変わらない。新たに中央公園内の市青少年センターの一部機能の移転を追加。これまで25年度中としていた開館時期は26年度にずれ込む見通しも示すという。

 再整備計画を巡って、市は21年11月、いずれも市中央公園内にある中央図書館、映像文化ライブラリー、こども図書館をA館に全て移転する方針を表明した。ただ、市民の反対意見などを踏まえ、22年9月にこども図書館のみ現在地に残す方針に転じた。

(2023年1月13日朝刊掲載)

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