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本川小・袋町小・逓信病院旧外来棟の展示施設 原爆資料館の付属施設に

広島市、発信力高める狙い

 広島市中区にある被爆建物の本川小平和資料館、袋町小平和資料館、広島逓信病院旧外来棟の3施設について、市が原爆資料館(中区)の付属展示施設にする方針を固めたことが12日、分かった。一体的に管理・運営し、発信力を高める狙い。2023年度から3施設の展示内容を見直すなどし、24、25年度に順次開館する。

 爆心地からの距離は本川小資料館0・4キロ、袋町小資料館0・5キロ、旧外来棟1・4キロ。両小の資料館は市教委が管理し、旧外来棟は18年に日本郵政から市に無償譲渡された。各施設とも被爆資料を展示し、国内外からの来訪者に被爆の実態を伝えている。

 複数の関係者によると、市は3施設を原爆資料館の付属展示施設に位置付けて効果的な展示につなげたい考えでいる。必要に応じて修繕や展示の見直しをし、旧外来棟平和資料館は24年11月、本川小と袋町小の平和資料館は25年11月の開館を目指す。病院と教育施設という建物の特色を生かした平和発信の取り組みも検討しているという。

 市は、米国の平和活動家の故フロイド・シュモー氏が1951年に建てた集会所を改装し、原爆資料館の付属展示施設「シュモーハウス」(中区)として12年11月に開館。復興と海外からの支援を伝える場にしている。新たに付属展示施設とする3資料館は、被爆の惨禍や被爆者救護などについて発信しつつ、連携を図るとみられる。(小林可奈)

(2023年1月13日朝刊掲載)

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