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対中抑止強化 協議へ 日米首脳会談 核軍縮議論 提案も

 岸田文雄首相は13日午前(日本時間14日未明)、バイデン米大統領とホワイトハウスで会談。反撃能力(敵基地攻撃能力)の運用で協力を深化させると確認した閣僚協議を踏まえ、対中国の抑止力を強化する。首相は地元広島市で5月19~21日に開く先進7カ国首脳会議(G7サミット)で核軍縮・不拡散を議題にすると提案し理解を求める。(ワシントン発 中川雅晴)

 日米首脳は半導体や原発、液化天然ガス(LNG)などエネルギーを含む経済安全保障分野でも連携を加速させる。会談に合わせて宇宙分野の包括的な協力協定を締結。共同文書の書きぶりが注目される。

 首相は2021年10月の就任後初のワシントン訪問となった。会談では、広島サミットに向けてG7の結束を確認。新たな国家安全保障戦略で打ち出した防衛力の抜本強化や、防衛費の大幅増額方針を説明する。

 中国による力を背景とした現状変更の試みに反対し、台湾海峡の平和と安定の重要性を共有。沖縄県・尖閣諸島や宇宙への日米安全保障条約第5条の適用も確認する方向だ。

 経済安保では、強靱(きょうじん)な半導体のサプライチェーン(供給網)構築をはじめ、人工知能(AI)や量子、バイオなどの先端技術開発でも協力を強める。日本も参加する米主導の新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」の具体化も推進する。

 宇宙協力協定は、首相立ち会いの下、林芳正外相とブリンケン国務長官が署名。月探査「アルテミス計画」などを通じて日米の協力基盤を強化し、宇宙開発を進める中国に対抗する。

 ロシアのウクライナ侵攻では、首相が欧州とカナダ歴訪で各国首脳と確認した対ロシア制裁とウクライナへの強力な支援継続について、バイデン氏とも結束を申し合わせる。

(2023年1月14日朝刊掲載)

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