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現場近くの岩 塗膜付着 海自護衛艦座礁 えい航開始 尾道へ

 山口県周防大島町沖で海上自衛隊呉基地(呉市)を母港とする護衛艦いなづまが浅瀬に乗り上げて自力航行できなくなった事故で、現場付近の岩に護衛艦のものとみられる塗膜が付着していたことが13日、海上保安庁の関係者への取材で分かった。また海自呉地方総監部は同日、新たな油漏れがないことを確認したとして、15日朝からえい航を始めると発表した。

 塗膜が見つかったのはセンガイ瀬と呼ばれる浅瀬の岩で、海保の潜水士が13日の調査で採取した。周辺には岩が砕けた形跡もあったという。柳井海上保安署は業務上過失往来危険の疑いもあるとみて捜査。当時の状況などについて艦長や乗員からの事情聴取を進めているという。

 海自によると、えい航は15日午前8時ごろに始め、同日夕に尾道市のジャパンマリンユナイテッド因島事業所の沖合に到着する予定。その後、同事業所に入り、損傷部分の詳細な調査などを始める方針という。

 事故は10日午後0時10分ごろ、周防大島町の沖家室島の南約2・5キロの沖合で発生。いなづまは当時、定期検査に伴うエンジン関連の試運転中だった。スクリューなどが損傷して現場海域に停泊を続けている。

(2023年1月14日朝刊掲載)

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