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護衛艦事故 運航面原因か 海自トップ 機器 正常に作動

 海上自衛隊呉基地(呉市)を母港とする護衛艦いなづまが山口県周防大島町沖で自力航行不能になった事故について、海自トップの酒井良海上幕僚長は17日の記者会見で、原因は「運航面にあった可能性が高い」と明らかにした。海自は浅瀬の場所を乗員が正確に把握していたかも含め詳しく調べる。(山本庸平、口元惇矢)

 酒井氏は護衛艦が船体前方から浅瀬に乗り上げたと言及。エンジンやレーダーなどは当時正常に作動しており、「視界や海上の様子、付近の船舶も原因には当たらない」と説明した。

 浅瀬を通るルートを計画することは「通常ありえない」と指摘。ルート通りに進んでいたのか、乗員が浅瀬を認識していたのかに関しては「今後の調査の対象になる」と述べた。

 事故は海上保安庁が捜査しているが、海自も内部の調査委員会で事実関係を調べている。酒井氏は「防衛力の抜本的強化への自衛隊の取り組みに水を差す結果となり、深く反省している」と語った。

 浜田靖一防衛相も閣議後会見で「国民の皆さまに心配をかけ誠に申し訳ない。心からおわびする」と陳謝。艦艇部隊に同種事故の教訓を周知するとともに運航管理の基本を徹底させ、実効的な対策を取るよう指示したと明らかにした。

 事故は10日に発生し、護衛艦はスクリューなどを損傷。えい航され、16日に尾道市のジャパンマリンユナイテッド因島事業所に入港した。浜田氏は「修理の規模は現時点で定かではない」とした。

(2023年1月18日朝刊掲載)

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