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エスキーテニスで平和学習 戦後の広島発祥 生まれた経緯学ぶ 東広島・高美が丘小で考案者のひ孫ら授業

 戦後の広島が発祥の「エスキーテニス」を取り入れた平和学習が18日、東広島市の高美が丘小で始まった。小さめのコートとラケットで、羽根が付いた独特のスポンジボールを打ち合う競技。初回の授業では、考案者のひ孫で日本エスキーテニス連盟事務局の宇野本翼さん(38)と理事長の新谷昭夫さん(62)が、誕生の経緯や平和への思いを伝えた。(岩井美都)

 授業には6年生100人が参加した。宇野本さんは、曽祖父の信さん(故人)が県から「子どもたちが楽しめるスポーツをつくってほしい」と頼まれて考案した経緯を説明。「ネット作りを近くの漁師に習ったり、養鶏場から羽根を分けてもらったりした。被爆の影響で娘を亡くした曽祖父は、同じ年頃の子どもを喜ばせたいとの強い思いを持っていた」と話した。

 新谷さんは「ロシアによるウクライナ侵攻や中東の紛争など、世界では争い事が今も絶えない。エスキーテニスを通じて平和の大切さを感じてほしい」と願いを語った。

 授業は、宇野本さんの姉の娘が同小に通う縁などから実現。脇陽菜子さん(12)は「平和への願いを込めて考案されたと初めて知った」と話した。24日には競技の体験を予定。以後も保護者対象の体験会を開くなど、地域を巻き込んだ普及活動を目指す。

(2023年1月19日朝刊掲載)

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