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[広島サミット5・19~21] 吉島通り 首脳車列警護 分離帯撤去へ

沿道との距離確保

 広島市で5月にある先進7カ国首脳会議(G7サミット)に向け、市が中区の市道「吉島通り」にある中央分離帯を撤去することが18日、分かった。各国首脳が平和記念公園(中区)訪問などで市内を移動する際に通る可能性があり、広島県警からの警備上の要請を受けて判断した。4車線の真ん中を首脳たちの車列が走行できるようにする。

 吉島通りは中島町の平和記念公園前から南吉島までの全長3719メートル。うち広島高速3号吉島出入り口に近い約300メートルに、中央分離帯がある。市は今月下旬にも撤去工事を始める。舗装などを含む事業費は1億3200万円。別に広島高速道路公社が、中央分離帯に設置している標識や道路情報板を取り除く。

 政府はサミット時に首脳たちによる原爆資料館の見学を調整している。また、主会場のグランドプリンスホテル広島が南区にある一方、他の宿泊候補のホテルは市中心部に立つ。これらの施設を広島高速3号を経由して行き来する場合に、首脳たちの車列が吉島通りを走ると見込まれる。市によると、沿道の市民と車列との距離を確保するため、中央分離帯の撤去を県警から求められたという。

 2016年に当時のオバマ米大統領は米軍岩国基地(岩国市)からヘリコプターで広島ヘリポート(西区)に飛来。大統領専用車に乗り換え、広島高速3号と吉島通りを通って平和記念公園を訪れた。

 市は今回、中央分離帯を撤去した後、渋滞対策として右折レーンの新設を検討する。市道路部は「近隣の住民から渋滞緩和を求める声もあり、撤去に踏み切った。サミット後の利便性向上につなげたい」としている。(川上裕)

(2023年1月19日朝刊掲載)

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