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「平和研究機構」23年度に設立 広島市・広島大・市立大・広島平和文化センター 知の拠点へ 25日に連携協定

 広島大本部跡地(広島市中区)の被爆建物、旧理学部1号館を拠点にした「ヒロシマ平和研究教育機構」(仮称)の設立へ、広島市と広島大(東広島市)、広島市立大(安佐南区)、広島平和文化センター(中区)の4者が25日に連携協定を結ぶことが19日、分かった。世界有数の平和研究機関を目指し、2023年度に機構を設立する。(小林可奈、川上裕)

 複数の関係者によると、1号館を平和に関する「知の拠点」にするため、23年度から両大学の平和研究機関による共同研究や国内外の若手研究者の受け入れを進める。この方向性に基づき1号館を改修するなどした後、機構が本格的に使う方針。25日に広島市内で開く協定締結式には、松井一実市長や広島大の越智光夫学長、市立大の若林真一学長たちが出席する。

 1号館に新たな平和教育・研究機関を設ける構想は、18年11月に市の有識者懇談会で示された。提案を踏まえ、市は両大学に平和研究機関の移転を要請。広島大平和センターと市立大広島平和研究所、同大大学院平和学研究科の移転が決まっている。

 1号館は1931年に広島文理科大本館として建設された。鉄筋3階建て延べ約8500平方メートル。爆心地から約1・4キロにあり、外観を残して全焼した。49年の広島大開学で理学部1号館になり、同大の東広島市移転に伴い91年に閉鎖。13年に市が取得した。市は1号館を長期的に活用するため、耐震診断や必要な補修の検討を進めている。

(2023年1月20日朝刊掲載)

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