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ひろしま男子駅伝へ平和の祈り 大書で発信 京都府人会・小川会長

 新型コロナウイルスの影響で2年連続中止となっていたひろしま男子駅伝が22日、3年ぶりに安芸路に帰ってきた。感染対策で声を出す応援の自粛が求められる中、沿道ではメッセージ付きのプラカードやのぼりがいくつも掲げられ、たすきをつなぐ選手の背中を押した。優勝した長野は大会新記録でゴールし、地元広島も7位に入賞。力走をたたえる拍手がやまなかった。

 「祈り」。平和への思いを込めた、ふすま1枚ほどの大書など15点がひろしま京都府人会のテントに並んだ。書いたのは会長で現代詩文書作家の小川妙子さん(71)=廿日市市。「平和記念公園前からスタートする駅伝の場だからこそ、平和を発信する意味がある」と力を込める。

 幼少期に書道を始め、京都教育大で教員免許を取得した。40年前に結婚して広島に移り、県立高の通信課程で20年ほど書道を教えた。生徒の中には被爆者もおり、証言や詠んだ詩を聞く中で「聞くだけではいけない」と書にしたためるようになったという。

 ロシアのウクライナ侵攻後、初めて迎えた男子駅伝。「小さな子どもの叫び 武器はすてて殺さないで」と新たにつづった短冊も展示した。作品を見た南区の主婦藤田佳鶴さん(62)は「駅伝ができるのは平和だからこそ。早く戦争のない世の中になってほしい」と願っていた。(菊池諒)

(2023年1月23日朝刊掲載)

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