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「台湾農業の父」功績知って 福山出身の農学者・磯永吉氏 来月11日講演会 経済界有志ら企画

 福山市出身の農学者で「台湾農業の父」とされる磯(いそ)永吉氏(1886~1972年)の足跡を紹介する講演会「台湾を変えた福山の偉人」が2月11日、同市霞町のまなびの館ローズコムである。講師は台湾史研究者で作家の古川勝三氏。県内の経済界の有志たちが功績を広く知ってもらおうと実行委員会をつくり企画した。無料。

 磯氏は1886年、現在の福山市霞町で生まれた。26歳で台湾に渡り、日本のコメの在来品種を交配させて台湾の気候に合った「蓬萊(ほうらい)米」と呼ばれる品種を開発。終戦後も台湾大で人材育成に尽力し、台湾政府から日本の文化勲章に当たる「特種領綬景星勲章」を贈られた。

 古川氏は1980年から当時の文部省(現文部科学省)の海外派遣教師として台湾の日本人学校に在籍した際、磯氏の足跡や現地での顕彰活動を知った。古川氏と交流のある広島商工会議所元副会頭の河野高信さん(70)や福山商工会議所前副会頭の柿原博樹さん(71)が講演会を計画した。

 磯氏は昨年8月に福山市が29人を選んだ「福山ゆかりの先人」の一人。柿原実行委員長は「まだ知名度が低い。功績を次の世代にも伝えたい」と来場を呼びかける。定員は120人。申し込み、問い合わせ先は柿原銘板製作所総務課☎084(953)8800。 (門戸隆彦)

(2023年1月21日朝刊掲載)

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