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図書館移転案示す 広島市が市議会委に

 広島市中央公園(中区)にある市立中央図書館の再整備で、市は20日、JR広島駅前の商業施設エールエールA館(南区)に移転する基本計画案を市議会総務委員会に示した。市議から議論不足との指摘が出たが、市は市議会決議に沿って市民の理解を得る手続きを終えたとし、移転に向けた設計に本年度内に入る。

 計画案は2022年2月に示した案から、こども図書館を除くなど一部修正した。A館8~10階を中心に中央図書館と映像文化ライブラリーを移す。面積は現在の約1・4倍の1万3千平方メートルを確保する。

 8階には、音楽やダンスができる交流空間を設け、青少年センターの機能を担う。児童書など約6万冊を並べ、自習室や読み聞かせルームを用意する。9階には、広島ゆかりの作家の文学資料など広島関連の約9万冊を置き、郷土資料の展示コーナーを開設。10階は一般書や専門書約13万冊を配架し、カフェコーナーや約100席の上映ホールも設ける。

 8~10階以外の閉架書庫を含め、計135万冊を収蔵。概算整備費は不動産取得費や改修費など計114億5千万円で、26年度当初の開館を目指す。

 総務委では「市民や議会は納得していない」との反対意見の一方「利用者を増やせる良い図書館にしてほしい」との賛成の声も出た。終了後、市民局の阪谷幸春局長は「市民や議会の意見を踏まえ設計に取り組みたい」と表明。近く基本計画案を正式決定し、早期に事業着手する考えを示した。(余村泰樹)

(2023年1月21日朝刊掲載)

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