×

ニュース

[広島サミット5・19~21] バイデン氏が原爆資料館へ 全首脳で訪問 実現の公算大

 政府は、5月に広島市で開く先進7カ国首脳会議(G7サミット)に合わせて調整している各国首脳の原爆資料館(中区)訪問について、米政府から了承を得た。複数の日本政府関係者が23日までに明らかにした。バイデン大統領が資料館を訪れれば、米国の現職大統領として2016年のオバマ氏に続き2人目となる。

 政府が最もハードルが高いとみていた、原爆投下国で核超大国の米国から内諾を得たことで、G7トップそろっての訪問が実現する公算が大きくなった。同じく核兵器を持つ英国、フランスに加え、ドイツ、イタリア、カナダ各政府とも調整を進め、サミット初日の5月19日に、地元選出の岸田文雄首相が案内するプランが浮上している。

 首相は今月4日の年頭記者会見で、広島サミットで核軍縮・不拡散をテーマの一つにすると表明した。首脳たちが「核兵器のない世界」への議論を深める上で、被爆の惨禍を伝える資料館見学が不可欠とみている。広島県、市が求めている首脳と被爆者の面会に関しても、実現に向けた交渉を本格化させる。

 政府はまた、ウクライナのゼレンスキー大統領のオンライン参加についても内部で検討しているとみられる。ゼレンスキー氏は22年6月にドイツ南部エルマウであったG7サミットの討議にオンラインで参加した実績がある。(樋口浩二)

(2023年1月24日朝刊掲載)

年別アーカイブ