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平和の願い込め徳川家とコラボ 記念まんじゅう にしき堂が発売

 菓子製造販売のにしき堂(広島市東区)は23日、徳川宗家19代当主、家広氏(57)の家督継承を記念したカステラまんじゅう「楓果(ふうのか)」を発売した。ウクライナ侵攻などで世界情勢が不安定な中、家広氏から「長年の乱世を終わらせ、太平の世の礎を築いた家康公の思いを表現してほしい」と依頼され、平和への願いを込めて仕上げた。

 クリを練り込んだ白あんをクリ風味のカステラで包んだ。クリと白あんという異なる素材を調和させ平和を表現。クリは武士が出陣前に食べた縁起物とされる。表面には徳川家8代将軍吉宗が江戸城内に植えた楓(ふう)の木の葉をかたどった。1個170円、6個入り1200円。

 にしき堂の直営店やオンラインショップで売る。NHK大河ドラマ「どうする家康」にちなみ24日から静岡市の大河ドラマ館でも扱う。家康をまつる栃木県の日光東照宮にも並ぶ予定。

 大谷博国社長(69)は7年前、広島県立美術館(広島市中区)での徳川名宝展が縁で家広氏と知り合った。東京都内での会見で「菓子は平和の食べ物。笑顔が生まれ、争いのない世界になることを祈念する」と思いを吐露。家広氏は「日本が絶対に戦争をしてはいけないと痛感したのが広島と長崎の原爆投下。戦後の平和と家康公の考えた平和は響き合う」と語った。(境信重)

(2023年1月24日朝刊掲載)

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