×

ニュース

円鍔が祈った平和や愛 御調の美術館 仏像や陶彫など並ぶ

 尾道市御調町出身の彫刻家円鍔(えんつば)勝三(1905~2003年)の「祈り」をテーマにした作品展が、同町の円鍔勝三彫刻美術館で開かれている。3月26日まで。

 円鍔が大切にした平和や愛への祈りをモチーフに制作した作品や仏像など61点を展示した。3人が一枚の布でつながり、手を合わせる陶彫の抽象作品「祈り」は、灰色のうわぐすりのかかり具合が味わい深い。

 トランペットを吹く子どもを抱き、三日月に右足をかけた母親を表現した作品には「平和が満ちてほしい」との思いが込められているという。円鍔が収集した江戸時代の地蔵菩薩(ぼさつ)や獅子の木彫も並ぶ。

 松本香菜子学芸員は「円鍔の内面を探る内容。さまざまな表現を見てほしい」と話す。月曜休館。大人420円、高校生310円、中学生以下と70歳以上無料。(持田謙二)

(2023年1月27日朝刊掲載)

年別アーカイブ